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【最新】2022年以降のITインフラ技術トレンドを一挙紹介

2022.08.08最新更新日 2024.01.09

【最新】2022年以降のITインフラ技術トレンドを一挙紹介

インフラ技術とは

インフラ技術とは

インフラとは基盤となる設備や施設のことであり、「下部構造」とも呼ばれます。道路、上下水道、鉄道、送電網などはいわゆる社会インフラと呼ばれているもの。一方、ITインフラは、ITシステムを動かし維持するための下部構造を指し、そのためのサーバーやミドルウェア等の技術は「インフラ技術」と呼ばれます。インフラ技術は、アプリケーションとインフラストラクチャーの大きく2つの要素に分類されます。

アプリケーション

アプリケーション(ソフトウェア)はメール、Webブラウザ、文章作成ソフトなど、一般ユーザーが日常的に使用することになるソフトウェア全般を指します。いわばインフラストラクチャー(後述)が土台となり、その上にのせる様々なツールがアプリケーションです。たとえばメールのアプリケーションを開くとメール作成や送信機能が表示されます。これはあくまでユーザー側が利用するインターフェイス(接点)にすぎず、背後にはメールを配信するサーバーや、メールを保存するストレージ、またそれらを繋ぐネットワークなどのインフラストラクチャーがあります。それらが一つとなりメールというサービスを維持しています。

インフラストラクチャー

ITのインフラストラクチャーは、「ハードウェア」と「ソフトウェア」から成ります。ここでいうハードウェアとはPC、サーバー、ネットワーク、ストレージ、電源装置など、物理的な設備や機材のことです。ソフトウェアとは、Windows、Mac、Linuxなど、コンピュータを動かすために必要なOSを指します。また、ソフトウェアの中には、ITシステムを管理する「ミドルウェア」も含まれます。ミドルウェアの代表ソフトとしては、データベース管理システムの「Oracle Database」、サーバー監視やネットワーク監視をする「JP1」などが挙げられます。これらインフラストラクチャーは、一般ユーザーが触れるものではありませんが、ITを縁の下から支える重要な要素です。

【2022年最新】ITインフラ技術12のトレンド

IT分野で影響力を持つ大手IT調査会社「ガートナー社(英)」は、「戦略的テクノロジのトップ・トレンド」と題し、企業にとって重要なインパクトを持つ技術トレンド予測を毎年発表しています。2022年版では、「変化を生み出す」、「成長を加速させる」「信頼を得る」の3つのテーマにわけ、計12の技術トレンドにスポットが当てられました。今回発表された技術が、この先3~5年の間、デジタルビジネスの軸、イノベーションの起点となると予想しています。

なお、同社のバイスプレジデントであるデイヴィッド・グルームブリッジ氏は、「企業のCIO(最高情報責任者)は、成長×イノベーションを増幅させるITの新たな能力を特定した上で、レジリエンスや拡張性に優れた技術的基盤を構築し、デジタル化への投資を確保する必要がある」と前置きした上で、前述した変化、成長、信頼の3つのテーマを掲げたと語っています。

以降では今回発表された3テーマ、計12の技術トレンドがどのようなものであるか、ガートナー社の発表内容も交えつつ解説します。

変化を生み出すトレンド技術4選

変化を生み出すトレンド技術4選

1つ目のテーマ「変化を生み出す」では、「AIエンジニアリング」、「ハイパーオートメーション」、「意志決定インテリジェンス」、「コンポーザブル・アプリケーション」の計4つが、注目すべき技術トレンドとして選定されています。

AIエンジニアリング

これからのビジネスでは、従来のようにAIモデルを作って終わりではなく、継続的に利用していくための統合的なアプローチが求められます。それを具現化するための技術がAIエンジニアリングです。ガートナー社によれば、「AIエンジニアリングの最善な技法を確立している10%の企業は、確立できていない90%の企業に比べ、2025年までにAIへの取り組みを通じて少なくとも3倍以上の価値を生み出すようになる」と予測しています。

ハイパーオートメーション

「ハイパーオートメーション」とは、文字通り自動化を追求することであり、可能な限り多くのプロセスを迅速に特定し自動化することで、ビジネスのレジリエンス向上を狙います。具体的には、機械学習 (ML)、人工知能 (AI)、ロボティック・プロセス・オートメーション (RPA)など先進的なツールを活用しながら、自動化を追求していきます。ガートナー社の調査によれば、先進的なハイパーオートメーション・チームでは、意思決定におけるアジリティの強化、仕事の質の改善、ビジネス・プロセス高速化の3つを優先課題として注力していることが分かっています。

意志決定インテリジェンス

現在の社会は目まぐるしいスピードで変化しており、ビジネスをめぐる環境も複雑化しています。こういった状況の中では、人間が判断し意思決定をすることも難しくなっています。「意思決定インテリジェンス」とは、機械学習やAIを用いて判断や意思決定を行う技術を指します。リアルタイムに情報を判断しながら、生身の人間で生じるバイアスを除去し、スピーディな決定が行えるようになります。ガートナー社からは、「大企業の3分の1が、今後2年で競争優位性を高めるために意思決定モデリングを含む意思決定インテリジェンスを利用するようになる」と予測が立てられています。

コンポーザブル・アプリケーション

コンポーザブル(Composable)とは、直訳で「複数の要素や部品を結合し、構成や組み立てができる」の意味。「コンポーザブル・アプリケーション」とは、従来型のモノシリック(一枚岩)なシステムを、コンポーネント(要素)に分割し、組み換えや再利用をしやすくすることで、ビジネスや組織の効率化を図る仕組みを指します。ガートナー社は、「変化の激しい時代において、コンポーザブル・アプリケーションはビジネスのレジリエンスと成長に不可欠であり、使いこなせない企業は市場機会と顧客ロイヤリティを失うリスクを負うことになる」と警告しています。

成長を加速させるトレンド技術4選

成長を加速させるトレンド技術4選

2つ目のテーマ「成長を加速させる」では、「ジェネレーティブAI」、「オートノミック・システム」、「トータル・エクスペリエンス(TX)」、「分散型エンタプライズ」の計4つが、注目すべき技術トレンドとして選定されています。

ジェネレーティブAI

「ジェネレーティブAI」について、ガートナー社は「コンテンツやモノについてデータから学習し、それを使用して創造的かつ現実的な、まったく新しいアウトプットを生み出す機械学習手法」と定義しています。これまでのAIは、まずは人間がAIにデータを与え、学習させる必要がありました。いわばそのような学習すらもAI自身が行う技術がこのジェネレーティブAIです。ジェネレーティブAIは、ソフトウェア・コードの記述、医薬品開発、ターゲット・マーケティングの促進など、様々な分野の成長促進に活用できます。同時に、詐欺、不正、政治的な偽情報の発信、なりすましなどに悪用される危険性もあるとガートナー社は警告しています。

オートノミック・システム

オートノミック (Autonomic)の意味は「継続して進化する自律性」 です。人間の自律神経のようにコンピュータが自律的に自己管理を行う技術ともいえます。似たものとして「オートメーテッド (Automated) システム」や「オートノマス (Autonomous) システム」がありますが、これらとは少々異なります。この「オートノミック・システム」の場合、ソフトウェアを外部から更新しなくても、システム自らがアルゴリズムを動的に書き換えることができ、現場の状況に合わせて、人間と同じように臨機応変に迅速に適応できます。将来的には、ロボットやドローン、製造機械などのシステムにおいてもこの技術が一般化するとガートナー社は述べています。

トータル・エクスペリエンス(TX)

エクスペリエンス(experience)とは、「経験、体験」を意味します。ユーザー体験ともわれる「ユーザー・エクスペリエンス (UX)」、顧客体験ともいわれる「カスタマー・エクスペリエンス (CX)」はよく耳にするかと思いますが、これに従業員視点の「従業員エクスペリエンス (EX)」、VRなどの仮想体験を意味する「マルチエクスペリエンス (MX)」を含め、計4つを融合したものが「トータル・エクスペリエンス(TX)」です。ガートナー社は、「トータル・エクスペリエンス(TX)を追求することで、ステークホルダーのエクスペリエンスを包括的に管理することができ、顧客や従業員の信頼、満足、ロイヤリティ、アドボカシ (推奨) を高めることができる」と述べています。

分散型エンタプライズ

リモートワークも普及し、従来のオフィス中心の組織から、さまざまな場所に拠点を置く人材で構成される「分散型エンタプライズ」へ進化しつつあります。分散型エンタプライズでは、デジタル・ファースト、リモート・ファーストのビジネスモデルを反映すること、従業員エクスペリエンスを高めること、ユーザーや顧客との接点をデジタル化することなどがポイントとなります。ガートナー社の予測では、「2023年までに、分散型エンタプライズの利点を生かしている組織の75%は、競合他社よりも25%速く売り上げ拡大を実現する」とみています。

信頼を得るトレンド技術4選

信頼を得るトレンド技術4選

3つ目のテーマ「信頼を得る」では、「クラウド・ネイティブ・プラットフォーム」、「プライバシー強化コンピュテーション」、「サイバーセキュリティ・メッシュ」、「データ・ファブリック」の計4つが、注目すべき技術トレンドとして選定されています。

クラウド・ネイティブ・プラットフォーム

クラウド・ネイティブ・プラットフォームとは、「クラウドの利点を徹底的に活用するシステム」を指します。似た言葉として、「クラウド・ファースト」がありますが、こちらはクラウドの利用を優先するというものです。クラウド・ネイティブ・プラットフォームは優先にとどまらず、さらにクラウドに特化しており、最初からクラウド上で動くことを前提にして設計されたシステム。そのため、クラウドの利点を最大限に引き出すことができます。ガートナー社は、「2025年までに、クラウド・ネイティブ・プラットフォームが新規デジタル・イニシアティブの基盤となる割合は、2021年の40%以下から95%以上へと上昇する」と予想しています。

プライバシー強化コンピュテーション

「プライバシー強化コンピュテーション」とは、機密情報や個人情報などを、データ、ソフトウェア、ハードウェアのレベルで保護する手法を指します。この手法を取り入れることで、プライバシーや機密性を損なわず、データの共有、保存、分析の安全性を確保することが実現できます。ガートナー社は、「2025年までに大企業の60%が、アナリティクス、ビジネス・インテリジェンス、クラウド・コンピューティングのいずれかにおいて、プライバシー強化コンピュテーション手法を1つ以上使用するようになる」と予想しています。

サイバーセキュリティ・メッシュ

リモート化が進み、デジタル資産やユーザーはどこにでも存在するため、従来のセキュリティ境界は消滅しています。そのため、これまでのように各々の場所で別々のセキュリティツールを使用していたのでは、セキュリティが甘くなりやすく、管理するコストもかかります。「サイバーセキュリティ・メッシュ」とは、セキュリティツールを統合し、統合的なセキュリティ構造/態勢を提供する次世代のアーキテクチャのこと。ガートナー社は、「2024年までに、CSMAを利用してセキュリティツールを統合し、協働的なエコシステム内で活動する組織は、個々のセキュリティ・インシデントによる財務への影響を平均で90%低減させるでしょう。」と予測しています。

データ・ファブリック

データのサイロ化が進み、また、オンプレミスやクラウドなどさまざまなプラットフォームやシステムにデータが散在するようになったため、それらの管理が煩雑化しています。「データ・ファブリック」は、複数のプラットフォームやビジネス・ユーザーをまたぐ形で存在するデータを統合し、一元管理するための仕組みです。データ・ファブリックを活用することにより、あらゆるデータ環境に高速でアクセスできるようになり、管理もスムーズになります。ガートナー社は、「データ・ファブリックを活用することにより、データ管理作業を最大70%削減し、成果を得られるまでの時間を短縮する」と述べています。

戦略的テクノロジーにおける2つのトレンド

戦略的テクノロジーにおける2つのトレンド

次世代のトレンド技術が続々と登場してきており、エンジニアとしての市場価値を高めるためにも、新しい技術を学ばなければならないと感じている方も多いでしょう。もちろんそれも大切ではありますが、実は以前からあるレガシーな技術に目を向けることも重要です。

というのも、たとえばクラウド技術に関しても、いってみれば以前からあるサーバーやネットワークの技術を組み合わせ、それを簡単に行えるようにした技術であるからです。つまり以前からあるレガシーな技術を固めたエンジニアであれば、それをベースとして新しいトレンド技術を身に着けることは、さほど難しいことではないのです。一方、基礎を固めないまま先走ってクラウドなどに手をだすと、表面的な部分しか対応できず、エンジニアというよりもオペレーターのような存在になってしまうこともあります。トレンドを追う毎も大切ですが、足元、基礎を固めることも忘れてはならないのです。

技術名 概要 分類
バーチャルオフィスツール ゲームのように仮装空間上にオフィスを構築。アバターを使い、オフィスで皆と仕事しているかのような疑似体験が得られるツール。 社会インフラ
ベース・レジストリ 公的機関等で登録・公開される、人・法人・土地・建物・資格などの社会の基本データ。また、それらを保管しているデータベースの総称。 社会インフラ
マイクロデータセンター サーバー、ストレージ、冷却装置、UPS(無停電電源装置)等、必要なインフラ要素を全て収容したモジュール型のシステムを指す。 社会インフラ
コンフィデンシャルコンピューティング コンピュータ内に隔離エリアを作り、データを読み書きできないようにする技術の総称。 ハードウェア
HTTP/3 HTTP/2に続くハイパーテキスト転送プロトコルの3つ目のメジャーバージョン。通信はTCPではなくUDPとなる。 通信
量子暗号通信 「光子」のような極小の物質の動きやふるまいを示す物理学の「量子力学」を応用した暗号化技術。暗号鍵を分割し、一つ一つの光子にのせて送る仕組み。 通信
AI自動テスト 自動テスト用のプログラムなどを、AI自身が作り出す仕組みを指す。 アーキテクチャ
DOA 2.0 1度データを書き込んだら不変とするデータベース用のアーキテクチャ。 アーキテクチャ
エッジAI スマートフォン、スマートスピーカー、車、カメラなど末端装置に搭載されるAIを指す。 アーキテクチャ
AutoML 「Automated Machine Learning」の略称で、直訳すると「自動化された機械学習」。機械学習モデルの設計や構築のプロセスを、自動化する技術を指す。 プログラミング言語・アルゴリズム
Java 17 「Automated Machine Learning」の略称で、直訳すると「自動化された機械学習」。機械学習モデルの設計や構築のプロセスを、自動化する技術を指す。 プログラミング言語・アルゴリズム
Java 17 プログラミング言語「Java」の最新版。2021年9月にリリース。継承できるクラスを制限する「Sealed Class」機能を追加。 プログラミング言語・アルゴリズム
ReScript JavaScriptにトランスパイルが可能なプログラミング言語。高速コンパイルや型といった機能を備える。 プログラミング言語・アルゴリズム
メタバース 3D仮装空間内で、現実と同じようにコミュニケーションがとれ、疑似的な生活ができる仕組みのこと。VRやARと組み合わされる。 マーケティング

インフラ技術のトレンドは随時チェックしよう

ITインフラを取り巻く環境は目まぐるしいスピードで変化しており、次々と新しい技術が生み出されています。ガートナー社も予想している通り、今回紹介したようなトレンド技術たちが、今後数年でビジネスやサービスを大きく変えていくかもしれません。その土台を作るのがインフラ系のエンジニアであり、顧客により良い価値を提供するためには、新しい技術を知り、新しい目線で提案していくことも重要です。ワンランク上のエンジニアになるためにも、最新技術の動向にアンテナを張り、トレンドは随時チェックしていきましょう。

参考URL:
https://shiftasia.com/ja/column/2022%E5%B9%B4%E6%B3%A8%E7%9B%AE%E3%81%AEit%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%A8%E3%81%AF/
https://www.reqtc.com/recruit/n_infra.html

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