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アンケート「SES」とは?エンジニアでも知らない人が多い?

2022.10.26最新更新日 2024.01.09

アンケート「SES」とは?エンジニアでも知らない人が多い?

SESとは?

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SESは「システム・エンジニアリング・サービス」の略称です。ITエンジニアの技術力や労働力を提供するサービス、またその契約形態を指します。IT業界は建築業界と似ており、システム開発には多くのエンジニアの力が必要になります。そのため、1社で開発を進めるのではなく、プロジェクトを組み、SES契約や派遣契約を活用し、さまざまな会社のエンジニアを呼び集めます。

SES契約は「準委任契約」

SESは契約形態上、「準委任契約」に分類されます。準委任契約では、成果物ではなく、委託内容に対して規定の時間業務に従事することに責任があります。つまり成果物が完成しなくとも、決められた時間働けば問題はありません。準委任契約の場合、指揮命令権がクライアント側(依頼主)にはありません。一般的には間に入るベンダーが指揮命令を行うことになります。

また、準委任契約と似た契約形態に「委任契約」があります。準委任契約と委任契約の差は、委任する業務の中に「法律行為」があるか否かの差です。一般的に、エンジニアが行う業務の中に法律行為はないため、エンジニアに仕事を委任する場合、委任契約ではなく準委任契約となるのが基本です。

「派遣契約」との違い

「派遣契約」は、準委任契約と同様に、成果物ではなく、委託内容に対して規定の時間業務に従事することに責任があります。準委任契約と派遣契約の差は、「指揮命令権」の部分です。準委任契約ではクライアント側に指揮命令権がありませんが、派遣契約の場合はクライアント側に指揮命令権があります。

「請負契約」との違い

「請負契約」は、準委任契約や派遣契約と違い、成果物を完成させ納品することに責任があります。成果物を完成させなければ、報酬は発生しません。また、成果物に欠陥がある場合、修正する必要があります。一方で成果物が完成できれば、決まった時間働かなくても問題ありません。また準委任契約と同様に、指揮命令権がクライアント側にありません。

SESの働き方の特徴

SES契約の場合、客先に「常駐」となるのが一般的です。客先と自宅を往復するような日々となり、自社には会議等の用事がない限りなかなか戻らなくなるケースが多いです。そのため、自社に対しての帰属意識が持ちづらく、孤独感などを感じることもあります。一方で、さまざまなプロジェクトを経験できる利点もあり、エンジニアとして成長しやすい環境でもあります。また、派遣契約のようにクライアントから直接的に指揮命令を受けず、さらに請負契約のように成果物を何としても仕上げなければならない契約でもないため、人によっては働きやすい契約形態ともいえます。

アンケート結果1:回答者の属性

SES Plusでは、今回、総勢564名のITエンジニアに対しSESに関するアンケートを実施しました。まず、回答者はどういった分野に携わっているエンジニアであるのか、アンケート回答者の属性を紹介します。

携わっている技術領域

携わっている技術領域の分布は、以下のグラフのようになりました。
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現在、携わっている技術領域の回答結果です。ITインフラが274名と最も多く、次にアプリケーション、メカトロニクスと続きます。データサイエンスやセキュリティは近年注目されている分野ではありますが、まだまだ携わっている人は少ないことがこの結果からもうかがえます。

年齢・性別

アンケート回答者の年齢や性別については、以下のような分布になりました。
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アンケート回答者の年齢層は、20代、30代が多い傾向です。40代の方からもある程度回答をいただいていますが、50代になると一気に数が減っています。どの年代でも女性よりも男性からの回答が多く、年代が高くなるほど、女性回答者の比率も下がっています。「男性が多い」というIT業界のイメージを表すような回答傾向となりました。

年収

アンケート回答者の年収については、以下のような傾向となります。
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年収400万未満の層が最も多いものの、400万円~599万円の層も決して少なくはないことがうかがえます。1000万円以上と回答した人も9名ほどおり、そのうち1名は女性です。

アンケート結果2:SESという言葉の認知度

今回のアンケートでは、「SES」という言葉の認知度についても調査を行いました。その結果、SESという言葉を知らないエンジニアも多数いることがわかりました。以降では、アンケートの結果の詳細を紹介します。

SESという言葉を知っているか

「SESという言葉をご存じですか?」の質問への回答は、以下になります。
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「意味を知っている」と回答した人は564名中230名であり、半分以下となります。一方で「知らない」と回答した人は185名、「言葉だけ知っている」と回答した人は128名であり、SESの意味を知らないエンジニアのほうが大多数を占めているという結果になりました。

アンケート結果3:SESと派遣の違いを知っているか

SESと派遣は、似ている部分もありますが、異なるものです。今回のアンケートでは、SES契約と派遣契約の違いをどの程度認識しているかについての調査も行いました。SES知らない7

SESと派遣は似て非なるものですが、「いいえ」と回答した方が218名もおり、同じものとして理解している人のほうが多い結果となりました。また「無回答」の人数が多いことも気になる点です。もしも回答に自信のない人が無回答としていたと想定すれば、SESと派遣の違いを理解していない人の数はさらに多い可能性があります。

どんな点が違うと感じられるか

上記の「SESと派遣に違いはあると思いますか?」の質問に、「はい」と回答した137名に対して、「どんな点が違うと感じられますか?」の質問をしたところ、さまざまな回答をいただきました。以下、一例をピックアップします。

正しく理解している回答:
・クライアント企業からの指揮命令がない(回答者:30代男性・セキュリティ)
・作業者に対して指示を出す人の違い(回答者:40代男性・データサイエンス)
・指揮命令系統の違い(回答者:40代男性・アプリケーション)
・指揮命令の所在が違うが実質業務上では派遣との違いは感じられない(回答者:40代男性・アプリケーション)
など

一方で、このようにSESと派遣の違いを誤解しているような回答も一部見られました。SESと派遣の差は指揮命令権にあり、成果物のクオリティや技術力の差ではありません。成果物に対しての責任やクオリティがシビアに問われるのは、SESや派遣というよりも、どちらといえば「請負契約」での話となります。請負契約では、成果物を完成させなければ報酬は発生せず、成果物に対してより高い責任が問われます。

エンジニアとして働いていてもSESを知らない人は多い

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今回のアンケートは、未経験者やIT業界外の方を対象にしたものではありません。今現在ITエンジニアとして働いている方々を対象に行ったものです。またアンケート回答者は、この業界に入ったばかりの20代の若手エンジニアだけはありません。その中には、30代、40代、それ以上の年代の方もおり、年収400万円以上を得ているベテランのエンジニアも多く含まれています。それにも関わらず、SESという言葉を知らないエンジニアも大勢いるというアンケート結果になりました。
かろうじてSESという言葉は知っていても、「それが具体的に何を示しているのか」、「一見は似ている派遣契約と具体的にどこが違うのか」等を、十分に理解し説明できるエンジニアというのも少ない傾向がうかがえます。普段、SESの単語を口にする人であっても、もしかすると、その意味を十分に理解していない、一部誤解した上で言葉として使っているかもしれません。

SESを理解して働こう!

SESというのは契約形態の一つであり、派遣契約とは指揮命令権が異なり、請負契約とは成果物に対する責任が異なります。この部分はエンジニアとして働く上でも重要となる知識であり、よく理解しないまま働いていると、トラブルの原因になりかねません。それこそ大規模な開発プロジェクトでは、多くのIT企業が参加し、契約形態や指揮命令権が複雑化していることもありますので、自身がどのような契約形態で参画しており、指揮命令を受ける相手はだれであるかを理解しておくことが大切です。

参考URL:
https://www.bold.ne.jp/engineer-club/ses
https://ses-plus.jp/laboratory/347/
https://engineer-shukatu.jp/column/archives/47144
https://biz.moneyforward.com/contract/basic/1751/

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